伊良積誌編さん委員会（田辺常博代表）は、当財団の助成を受けて、伊良積区の歴史を取りまとめた「西田梅の発祥地－伊良積の歴史－」を令和5年3月に刊行しました。
本書は、集落で日本の原風景「ふるさと」がくずれ、少子化で人口が減少して、高齢化が進み、明治百年が遠くなる一方で、大正・昭和百年が近くなり、平成、令和が過ぎていく中で、生活様式や農業経営などが大きく変貌し、お祭りなどの伝統芸能の継承が年々厳しい環境下となった中、数年前から区民有志から、「伊良積の歴史の冊子を製作し後世に残していこう」との声が上がり、地区の理解を得て発刊したものです。
区民を初め、区外の学識者からも寄稿を得て、編さん委員の二年にわたる執筆、整理、校正を経て、刊行されました。
本書は69ページで、地区の歴史から始まり、神社、寺院等、集落内の年中行事、梅栽培などの生業、自然災害、文化財、戦争の記録など、14章に分けて地区の全体像が描かれており、最後に、人口の変遷、梅の生産高等の資料が収録されています。
本書は、伊良積区全体の歴史を書きとどめた貴重なものとなりました。今回の本書の刊行は、西田梅の発祥の地の伊良積地区の歴史を後世に伝える大切な資料となるでしょう。